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Chim↑Pom 「また明日も観てくれるかな?」展

2016.10.18 up
01KABUKICHOチラシ
       

新宿駅東口から新宿アルタを抜けて、靖国通りを渡った先にある「歌舞伎町一番街」のゲートをくぐる。10月15日より卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀によるアーティストコレクティブChim↑Pom の約3年ぶりの国内での個展が、その通りのシネシティ広場を過ぎてつきあたりにある歌舞伎町振興組合ビル1棟を会場に開催されている。その日の受付はエリイさん。ビルの4Fまでエレベーターで上がるとそのフロアには地下1Fまで貫く大きな穴が。下を覗こうにも怖気付いてなかなか覗けない、とてつもない穴が。

昨年、Chim↑Pomが発案し、参加した福島第一原発事故による帰還困難区域内で展示されている国際展「Don’t Follow the Wind」展では、「封鎖が解除されるまで観に行くことができない」ため、作品が風化していくことをも含め、汚染された土地、時間、人々とアートの関係性を問い直している。
本展のアーティストステートメントによれば、「福島をはじめとした震災の復興」をよそに、「20世紀に描いたビジョンを繰り返」し、「2020年、東京オリンピックまでに建て替え」、経済効果などへの「多くのポジティブなスローガンが再生産される」こと、「多くの災害に見舞われながら、スクラップ&ビルドを繰り返してきた日本の歴史」から本展では「日本人の『青写真の描き方』を問い直す」ことを試みる。1964年の東京オリンピック開催の5か月前に完成したというこのビルは、展覧会後に取り壊しが決定しているそうで、今回の展示作品は会期終了後、ビルと運命を共にするという。ビルの解体後、作品の残骸を拾い集め、さらにプロジェクト第2弾となる個展が、Chim↑Pom によるアーティスト・ラン・スペース、Garter@キタコレビルを、建築家・周防貴之とのコラボレーションとして、D.I.Yに改築しながらの開催も来年初めに予定されている。

あのビルの4Fから地下1Fまでの足のすくむ穴を眺めながら、新宿の歴史の持つ磁場の時代的断絶が気になって、奇しくもChim↑Pomが結成された年に発売された『東京人』2005年7月号「特集 新宿が熱かった頃 1968-1972」を帰宅後慌てて開いた。半世紀前、アングラ芝居、やくざ映画、ピンク映画、ATG映画がつくられ、喫茶店や酒場には演劇人、映画人、ミュージシャン、グラフィックデザイナー、イラストレーター、作家、編集者らが出入りし、若者たちが集い、カルチャーや政治を語り合い、騒乱まで起こった新宿という街は、都市の郊外化と交通網の発達も相まって、より一層人々を引き寄せる妖しいエネルギーに溢れていた。2020年のオリンピック開催にともなう再開発が落ち着き、人が引き込まれる強烈な磁場をつくれたら、私たちは私たちの世代の思い描く青写真をもっと提案できるのだろうか?



会期:2016年10月15日(土) – 10月31日(月)
Open:13:00 – 22:00
会場:歌舞伎町振興組合ビル
東京都新宿区歌舞伎町1丁目19-3
入場料:1,000円
*2016年10月28日(金)22:00-10月29日(土)6:00 のイベント入場料は¥3.000+1 ドリンク(イベント+展覧会) 
主催:Chim↑Pom
協力:歌舞伎町振興組合、Smappa! Group、無人島プロダクション

公式サイト:http://chimpomparty.com/

POSTED BY
Junko HONMA
Junko HONMA / Movie Journalist
「クリエイターとのダイアローグからそのさきへ。そんな“場”をつくっていけたら。」
2012年より映画の上映会や配信の運営、PR、TVドキュメンタリーの制作の現場を経て、“ことばで伝える”ことに立ち返り、表現を取り巻く状況が大きく変わりゆく時代の中で国内外で“領域”を越えて、新たな取り組みに挑戦しつづけるクリエイターのいまをお伝えします。本サイト「theatre tokyo/ creators park スペシャルインタビュー」ほか、ウェブマガジン『HYPEBEAST.JP』ではライフスタイル、カルチャーの翻訳を担当中。大阪の制作、エキストラで初参加させていただいた、リム・カーワイ監督作品『Fly Me to Minami~恋するミナミ~』DVD/iTunes配信も絶賛発売中!!