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A$AP Rocky & Jeremy Scott: Knock ’Em Out The Box

2012.01.24 up
A AP Rocky & Jeremy Scott: Knock Em Out The Box
       

巷で話題のHIP HOPアーティスト、A$AP RockyとJeremy Scottをカバーに起用したCOMPLEXマガジンFEB/MAR 2012イシューからインタビューをピックアップ。異質なフィールドの二人が持つ共通点や境遇を赤裸々に綴った内容は必見です。

                

source : COMPLEX
translated : SPLEADA86ers                     

COMPLEX : いくつかの曲中でジェレミーの名前を挙げていたけれど、彼のデザインに注目し始めたのはいつ頃から?

A$AP : 2008年くらいかな。俺たちが活動しはじめた頃だ。その時はフランスでしか買えなくて、3枚ベロがついてるやつとか、アフリカ柄のとか、ミッキーマウスのやつとかね。eBayでしか買えなかったから通常の倍払ってまで買うっていうのが良かったんだよね。

Jeremy : ひとつ聞いてもいいかな?「A$AP」ってどういう意味?

A : Always Strive and Prosper (常に努力して繁栄する)の頭文字をとってるんだ。これってすごく建設的な意味なんだ。“若さ”ってすごく重要で、将来を決定する重要な時期ってことをみんな忘れがちだからね。でも俺たちは目上の人たちをリスペクトしてるし、そういった人(Jeremy)から認めてもらってることも名誉に思ってる。リリックでも使っているけど、Rick Owens、Raf Simons、Jeremy Scottって俺たちでいうところのJay-Z、Nas、2Pacみたいなもんなんだ。本当にJeremyもそんな中の一人だよ。

J : ありがとう。ありがとう!

A : だからこういう企画って、デザイナーとラッパーを一緒にしました。っていうだけじゃなくてお互いのカルチャーを持ち寄ってミックスしてるって感覚だね。

COMPLEX : A$APは自分のことを“地球上で一番ぶっ飛んでるやつ”って呼んでたよね。

A : ホントにぶっ飛んでるときに言ったかもしれないね(笑)

COMPLEX : Jeremyとのこのカバーは君のファッションにどんな意味があると思う?

A : すべてだね。彼はレジェンドだし、俺たちのヒーローで彼のやること全てが最高さ。

COMPLEX : Jeremyはこれまでに様々なメジャーラッパーとコラボしてきたけど、若い世代のリーダーであるA$APと組むのはどう?

J : 僕はすごく感謝してるよ。彼や、彼の仲間、ハーレムのキッズたちから僕の作品について話を聞くのは最高だよ。僕にとっての最終目標はストリートに生きる人々の生活に触れることだからね。もちろんファッション業界も大事だし、リアーナ、ガガ、ケイティ・ペリーが僕の服を着てくれるのも嬉しいけどね。でもストリートのキッズたちが頑張って、お金を使ってくれてるとおもうと・・・

A : 間違いないね。

J : 世間に向けて自己表現するために服を買ってくれて“これが僕です!”って着てくれることが一番の賛辞だね。

COMPLEX : 二人ともそれぞれのフィールドでパッケージをすごく大事にしてるよね?

A : 俺にとってはすごく重要なことだよ。自分を表現するのに最適なプロップを見つけたときはアガるよ。それをみんなが褒めてくれるのも最高だしね。

J : 僕の場合は靴箱だけかな。毎回がチャレンジで境界線を越えようとしていると同時に、自分のフィーリングも大事にしてる。何かを妥協することは簡単だけどね。よく“おぉ 俺ってクレイジーでヤバい!”って言う人がいるけど、それは万人向けではなかったりするよね。だから僕に任されている特別な仕事に対して真剣に向き合っていて、寝てる時間以外は新しいモノを作ることに時間を費やしているよ。

COMPLEX : 二人にとって仲間からの共感を得ることは重要ですか?

A : 超重要だね。感謝すべきことのひとつだよ。

J : 僕は先人たちが残したとてつもない功績があったからラッキーだったよ。カール・ラガーフェルドよりいい例が思い浮かばないんだけど、彼の様なアイコニックな存在があって、その世界に飛び込ませてもらっているような感覚かな。

COMPLEX : なぜHIP HOPはファッションに、ファッションはHIP HOPに魅了されていると思いますか?

A : 黒人として、ファッションは貧困な生活を送ってないことを示すためのツールだったんだ。俺たちもこんなもの買えるんだぜってね。俺たちの祖祖父母の時代は、貧困に苦しんでいる時こそ持っている中で一番いい服を着たんだ。HIP HOPだって何も持ってないやつらの集まりだしね。ファッションは自己表現の手段だよ。そのセンスっていうのはHIP HOPで一番大事なことだしね。俺は朝起きて言うんだ「今日は一番いい格好して、思いっきりやりたい事やるんだ」って。それが全てだよ。火星に行くくらいハイになってて、舌もまわらない状態だからちゃんと表現できてるか分からないけどね!

J : (笑)重要なのはHIP HOPが唯一と言っていいほど独創性をもっているからかな。

A : Wow。

J : だからこそ僕はいつもHIP HOPのアーティストからインスパイアされるんだ。彼らはデニムひとつとっても裏返してみたり、前後逆に履いたりって自由に変化させているんだ。勿論、他の音楽シーンから影響を受けることもあるけど、HIP HOPは別格だね。それにロックは形を変えて常にシーンの中心にいるけれど、HIP HOPは全く新しいジャンルでメジャーになっている。

A : それって本当にスゴイことだよ。

COMPLEX : よく「なんでこの二人が?」って聞かれるけど、君は洋服を、彼は音楽を支持してる。この撮影でHIP HOPとファッションの素晴らしい関係が見えたと思います。

J : 間違いないね!

A : そうだね。ただこれってどこにでも起こりうる事だと思うんだ。ロックでも、パンクでも、ファンクでもあるかもしれない。でもHIP HOPはもっとこういった関係を大事にしていくよ。今までじゃ考えられないことだからね。予期してなかったことだけど、黒人の大統領がいるくらいだから。

J : もっと驚異的なマインドをもった黒人の共和党員もいたね。

A : HIP HOPのカルチャーは絶えず変わり続けてる。俺はブレードのヘアスタイルで、金歯で、ハーレム出身で、Jeremy Scottってデザイナーと会ってて、Rick Owensも好きで、みんな俺のこと知ってて、超満足してて、やりたい事やってて…これが俺なんだよ。やってることは違うかもしれないけど、このスタイルを維持していこうと思ってる。この本がリリースされたらみんなこの話題で持ちきりになって、将来もずっと語り継がれていくと思うよ。

COMPLEX : A$APは以前言っていたけど、今でも同性愛者はラップにおいて無縁ですか?

A : 俺は同性愛者じゃないし、これからもそうなることはない。けど同性愛者にインスパイアを受けることはあってもいいと思う。性別って誰にもどうしようも出来ないからね。差別をし始めたら“人”では無くなってしまうし。それに人がどうとか関係無いんだよ!俺はこいつとデートしたくないけど、インスパイアされてる。アクティビストになるつもりはないけど、同性愛ってファッションではなくてもっと個人的なことなんだって伝えていきたいんだ。俺も昔は理解の無いヤツだったけどね、今は大人になったから他人が自分の時間をどう使ってるかに興味はないんだよ。

J : なんで同性愛っていうのがあるのか僕には分からない。ひとつの性別だと思うんだ。人々が他人のことを気にし過ぎてることは理解できないね。政治的にもよく議題に上がっていてCNNで聞いたんだけど、共和党が中絶と同性愛者同士の結婚を理由にMitt Romney議員(同性愛者に結婚同様の権利を容認するシヴィル・ユニオン法の成立を提唱した)を支持しないってのにも戸惑うよ。なんでそんなに気にするのかな?

COMPLEX : 二人は若い時から目立ちたがり屋だった?

J : 間違いなくそうだったと思う。

A : 目立つことが流行ってたけど20歳になった時にうんざりしたんだ。トレンドを追いかけることが哀れに感じたから、自分自身のスタイルを持つことにしたよ。

J : 僕はいつもみんなとは違うなにかが内側で燃えているのを感じていたんだ。だから農場で育ったんだけどすぐに引っ越したよ。

A : それは超スゴイね!農場で育ったんだ?俺の言ってるコト分かってる?彼は農場で育ったんだよ!俺はハーレムで育って、おれの音楽はHoustonとかCaliforniaみたいな感じなんだ。彼は農場で育ってこんなナリしてんだよ!見てみろよ!

J : 僕はいつも何か違うことをしなきゃって感じてたんだ。

A : もっとクリエイティブになる為に農場から離れなきゃいけなかった?

J : 僕は農場でもクリエイティブだったよ。小さな頃から服をカスタマイズしたり、違った着方をしてたからね。与えられたものでも一ひねり加えて、着ていたんだ。今でも覚えているのはグレード7(中学生)の時7枚のシャツを一度に着たりしてたことかな。

A : (笑)

J : それで皆には「ママが今日は暖かくしなさい」って言ってたってね。

A : (笑)

J : そんなことばっかり考えていて、学校に行くのがいつの間にかファッションショーみたいになっていたんだ。僕が何を着ているかを皆に見せることだけが学校に行く唯一の理由だったね。今は実際にショーを行ってるから慣れてるけど、昔は全部を自分で着なきゃいけなかったからね。フランス語の授業で一緒だったサッカー部のキャプテンからFlavor Flav(PUBLIC ENEMY)スタイルの時計を買ったんだ。色んなカルチャーをミックスするのが好きだったからね。でも田舎だったからみんなに「白人なんだからそんなことするな!」って言われていたよ。今思えば昔から、HIP HOPみたいな異質なものをファッションに取り込んでいたんだね。

A : だから言ったでしょ!やりたいことがあるヤツをだれも批判出来ないんだよ。デザイナーで影響を受けた人はいる?

J : ファッションデザイナーっていうものを知ったのが14歳の時なんだけど、Gaultierは異質だったね。かなり幅広く、HIP HOP、PUNK、モールで売っているモノでさえもインスピレーション源だったよ。その全てが集まって、持ってるモノをカスタムしたりすることでひとつひとつが個性的なモノになっていったんだ。

COMPLEX : ブレイクするきっかけになったのは何ですか?

A : 今かな(笑)あとは契約した時。こんな俺が契約できるなんてクレイジーなことだろ。

J : 僕は毎回ブレイクのきっかけとかんじてるよ。

A : それヤバいね!俺もそう言えば良かった!

J : (笑)でも本当なんだ。毎回目指すべきものがあって、それをサポートしてくれるみんなには頭が上がらない。Twitterを開くと誰かも分からない人から「愛してる」ってツイートがあったり。それはすごく気持ちがいいよ。誰だって日の目を見ない時期があるけれど、出来ればそうでいたくないよね。人間だから、誰かに認められたいよ。

COMPLEX : キツイ時、辞めたくなったりもした?

A : 成功する前?めちゃくちゃなったね!本当にキツイ時期があって、すごく長かったから自分自身を疑ってたよ。でも考えたんだ「これが俺のベストで、俺がヤバいのは俺が一番わかってる。だからいつかきっと世間もわかってくれるはず」って。「くそ!俺はずっとドラッグ売ってるだけでいいんだよ!」って時期もあったけど、とにかく自分のことを信じてやり続けたんだ。

COMPLEX : 今では“THE HOTTEST MIXTAPE OF THE YEAR”を受賞するまでになったけれど、もし誰かの為にその曲を流すとしたら?

A : ちょっと考えてもいいかな… 誰かって言われれば俺の兄弟にかな。彼は死んでしまったんだ。だから彼の為に。

COMPLEX : 兄弟を失って日々の事柄にどんな影響があった?

A : とにかく彼のコトを考えないようにしたね。心が痛むけど、彼なりの俺への加護なんだよ。見守っていてくれる。野暮ったいことを言うつもりはないけど、この記事を読んでる人が「嘘言ってんじゃねぇよ」って思うかもしれない。でも本当に彼が傍にいてくれてるんだ。神を俺は信じていて、貧乏だった時も、ちょっと稼げるようになった時も、フラれた時も、悲しい時も見守っててくれてる。だからこれからもずっと自分の中に神と兄弟がいて、ひとときも忘れることはないんだ。

COMPLEX : Jeremyは辞めそうになったことはあった?

J : そうだね、4回目のショーの時はみんなが批判的だった。そのショーでは全部を金色でつくったんだけど、その時はミニマルなスタイルが主流だったからみんなが口を揃えて「けばけばしい、品が無い」ってね。Anna Wintourがフロントローにいる時にAndré Leon Talley(VOGUE)とかが「君は二度とデザインしない方がいい」なんて言った時は不快だったよ。

A : 彼がそんなこと言ったんだ?

J : 他の人たちもかなり不快なことを言ってたよ。だからかなりツライ時期があって、なんとか生き残ってきたんだけど、そのショーを後悔したことは一度もないよ。少しでも支持してくれる人がいて、そういった人たちが僕たちを立ち上がらせてくれるんだ。

A : それは何年のコト?

J : 98年、99年とか。

A : 今じゃこんなにじゃん!

COMPLEX : 何があなたを奮い立たせたんですか?

J : おもしろいことにRihannaがツアーのフィナーレでそのショーで使った作品を複製して欲しいと言ってきたんだ。彼女はすごく興奮していて「コレすごいわ!同じものを私にも作って!」ってね。その瞬間すべてがOKになったんだけど、二度とそんな状況に陥りたくないよね。とにかくネガティブにはなりたくないんだ。もし他の人にビジョンが無いとすればそれは彼らに欠けているもので不運なこと。僕にはビジョンがあってアーティストである以上それは不可欠で、そういうつらい時期を過ごすのもアーティストの宿命だと思う。それは誰にだって出来ることじゃないからこそ、アーティストという仕事でみんなを喜ばせることが出来るんだと思う。