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theatre tokyo / creator’s park スペシャルインタビュー

2013.06.21 up
theatre tokyo スペシャルインタビュー
       

Vol. 11関西アンダーグラウンドから進化×深化するエンターテイメントの現在
宮本杜朗監督


  『太秦ヤコペッティ』『SAVE THE CLUB NOON これからの音楽へ』


text/photo : 本間順子

大阪で活動している宮本杜朗監督。年末年始の厳冬のリム組『Fly Me to Minami〜恋するミナミ〜』大阪ロケで、その監督助手は素足にツッカケだった。靴を履くとカッカして、暑すぎるのだそうだ。5月下旬、東京・渋谷のUPLINKで「宮本杜朗最新作『太秦ヤコペッティ』東京上陸ほぼ一ヶ月前上映会!」が開催された。前作『尻舟』(2009)と撮影を担当し、最新作『太秦ヤコペッティ』の主演でもあるキキ花香(劇団 子供鉅人)主演の『プリミ恥部な世界』(2010、監督:平岡香純、監修:白井剛史)の上映だ。本人曰く、東京の印象は「全体的にシュッとしてる」[大阪弁で洗練された、都会的な様子]そうだ。「どこにおっても情報お腹いっぱい食わされる」だからこそ東京で「静かな映画がウケるのもわかる気がする」という。そんな東京での舞台挨拶に現れた姿もやはり素足にツッカケで、その変わらぬスタイルに、大阪が東京に出現したような錯覚を覚える監督その人とその作品。風営法とクラブの営業について様々な声が挙げられている中、現在クラウドファンディング中のドキュメンタリー『SAVE THE CLUB NOON』では、クラブというものの中身をクラブの外へ持ち出して、クラブへ行かない人にも観てもらいたいのだという。

5月29日、原宿VACANTにて風営法とクラブと音楽についてのトーク・イベント“映画『SAVE THE CLUB NOON』presents「これからの音楽へ」 クラブ・ペディア 東京Ver.”開催直前に、『太秦ヤコペッティ』上映予定館であるポレポレ東中野にあるSPACE&CAFEポレポレ坐にてお話を伺いました。


百貫省二(和田晋侍)は妻の佐奈(キキ花香)、息子の茂男(小沢獅子丸)と暮らし、“磁石の家”=マイホームを建てはじめる。ある夜、省二が壁にするために牛から皮を剥いでいるのを、警官・小早川義竹(北原雅樹)が発見する。小早川は省二に「裏稼業」を依頼する。                                『太秦ヤコペッティ』




『尻舟』はボーイ・ミーツ・ガールを、『太秦ヤコペッティ』はそもそも家族の温かみからスタートした、と伺いました。普通だったら、恋愛とか家族のハート・ウォーミングの物語で終わるかもしれないところが、それがアウトサイダーの生き様であったり、その人に寄り添う人の生き様が描かれようになっている。『尻舟』ではホームレスの女性(DODDODO)を主人公・村越(石井モタコ)が「カネで救うことができるのか?」と一緒に住むことを考えていて、主人公は聖者なのか?と思いました。『太秦ヤコペッティ』も警官(北原雅樹)が裏稼業で人を悪から救っているのか?とも思える部分がある。

避けたいような、見なかったことにしたいような存在に、関わっていく人の存在を描くっていうのはどこから来るんでしょうか?


ほったらかしたら、映画が進まなくなるから(笑)。それに、救おうと思って救っているとは思わないですね。ただ自分がそうしたいからやってるだけで、それが結果、人を救うかもしれんことになってるだけで。「守る」、「守られる」の関係って、実は「守っている」と思っている人の方が守られているんじゃないかなって思ったりもしますし。子どもがおるお母さんだったら、確かに子どもを守っているけれど、お母さんの方も子どもがおることで守られているところがあるんちゃうかなって。

実はちょっと『太秦ヤコペッティ』は『尻舟』の続きみたいなものと思っているところもあります。その後の物語っていう、どっかね、つながっている部分ていうのは多分あると思う。『尻舟』では尻を描くのが好きだった男とホームレスの女性の同居で終わって、『太秦ヤコペッティ』は家族で始まるから。自分で脚本とか書くと、どうしてもつながってまう部分があって。もちろん、今回脚本家の松永後彦さんと一緒に書いてますけど、それでもね、やっぱつながってまう部分ていうのがありますね。

製作が一度終わっても、ストーリーは成長していくということですか?

めっちゃ上品な言葉を使うと、ほんま、僕を通した「ウンコ」みたいなもんやから、映画って(笑)。自分の出した「ウンコ」やから、昨日の「ウンコ」と一昨日の「ウンコ」はどうしてもどっかつながっている、みたいな感じです(笑)。でも体内は見えへんし、ブラックボックスな部分は自分でもあります。だから、人に聞かれた時にうまく説明できないことが多々あって。

©2013 Shima Films



エンタメにしようと思っていて、常に何かしらが起こっているようにつくりました。

初動では家族の物語というのが、ヤコペッティ的なものへ変わってしまった、というのは、プロットの段階で変わってしまったんですか?

そうですね、プロットの段階だったと思います。きれいなウンコ出そう、思って、いいもの食ったら、あれ?結局、こんなウンコか!夢中になるとそうなってしまう。

演出はしっかりと付ける監督ですか?

晋侍の場合は『尻舟』にも出てくれているし、『太秦ヤコペッティ』は晋侍を思い浮かべて書いたから、そんなには現場に入っても演出とかないんですけど。逆に嫁さん役の佐奈役の場合は、先に佐奈というキャラクターありきでつくっているから、事前の演技練習でも花ちゃんの方を重点的に見ていました。修正するところは修正して。すぐに修正できるし、すごかったですね。花ちゃんは子供鉅人でもバリバリやってますから。

役者が本当にそろっていて。省二の息子の茂男役の小沢獅子丸君が本当に自然で、グロテスクな映像の中に、彼が救いというか。そして、「斬られ役」レジェンドの福本清三さんの出演。すごいですね。

獅子丸君、ほんまによかった。坊主頭にしてほしいって言ったら、大泣きしてましたけどね。福本さんはほんまにプロでしたね。すごかった。シマフィルムの志摩[志摩敏樹プロデューサー]さんが、太秦の撮影所の方にぜひ出てほしい、と言っていて、僕も福本さん好きやったから。福本さんは『ナイトスクープ』[朝日放送『探偵!ナイトスクープ』1992年に出演]に出てて、それで有名になって、僕もそれで知ったんですよね。おもろい人がおるんやなあ、と。まさか、その人と仕事ができるとは思ってませんでした。

見所が満載でした。本当にテンポがいいんです。和田晋侍さんの音楽もあって。

淡々としたくなかったんですよね。エンタメにしたいと思ってたし、テンポがよい映画にしたかったんです。常に何かしらが起こっているようにしたかった。晋侍の音楽もいいし。音楽のついてない粗編を観た時に、もう完成してる感じがあって、晋侍が音楽いらんのんちゃう、と言っていたんですけれど、晋侍はすごいですよ。音楽ついてさらによくなった。

「WADAROCKERS 10 plays UZUMASA JACOPETTI」としてサントラも発売されているんですよね。

上映している劇場や大阪のお店では販売してますね。円盤LOS APSON?など東京のお店でも置いてくれてるところがあります。演奏してくれている人もみんな、一流の人らが関わってくれてます。

音楽だけで聴いても楽しめると思います。エンディングのためとか、演出上の音楽っていう映画音楽もありますけれど。『太秦ヤコペッティ』の音楽は映画と音楽のセッションですね。

セッションというか摩擦やと思ってます。演出として添っている音楽もゼロではないんですけれど。一カ所だけそうしてほしい、と事前に伝えてるとこがありますね。



©2013 Shima Films



新作『太秦ヤコペッティ』の舞台である太秦は、監督の出身地ということですが、地元の大阪、京都で映画を製作することの良さは何ですか?

僕のライフワークはロケハンなので、こういうシーン撮りたい、というのがあったら、あの場所にしよう、とか、そういうのは割とすぐに思い浮かびますね。でも東京や他の場所でも撮りたいと思ってます。今出来てる脚本の舞台はアメリカですし。

『尻舟』、『太秦ヤコペッティ』では、現在を描いているにも関わらず、「いま」を感じさせない、昭和のアングラな映像世界となっていましたね。

それは意図していないんですよね。

映画として、見えなくしているものってあるじゃないですか、映さない、というか。出演者が公衆電話を使ったりとか、「いま」的なディバイスを使っていない。

それは諸々でそれぞれ事情は違うんですけど、『尻舟』で使った公衆電話は、僕、外が好きで、特に夜の外が好きなんですけど、外を映したいっていうのもあって、公衆電話にしてます。風呂なし四畳半アパートに長いこと住んでるってのもあるんかも。そういえばフローリングとかしっくりこーへんし、映画の中に登場させたいと思いません。畳がいい。

子どもにしても、ゲームをしないで、外で生き物で遊んでいるとか、そういうことだと思うんですけれど。

『太秦ヤコペッティ』に関しては、僕が5歳まで住んでいた場所で、そういう記憶とかをモロにイメージしながらつくっているっていうのがあるから、僕が5才くらいの時って、ファミコンもなかったし、土ダンゴつくったりしてましたから。竹馬乗られへんと卒業でけへん保育園行ってたし(笑)。真冬でもハダカで乾布摩擦する太秦の保育園で。こう言うとスパルタ保育園っぽく聞こえるかもしれんけど、そこそこ楽しくやってましたね。そういう5才までの自分と“茂男”はかぶせてるので、“茂男”がゲームしてるのは想像できませんでした。

『太秦ヤコペッティ』が柿落とし作品として上映された、京都の閉校になった元・立誠小学校を上映スペースにするという元・立誠小学校特設シアターというプロジェクトがありますが、シアター設営にも参加されたんですよね?映画をつくるだけではなく、自分の映画が上映される場所を自分でつくっていく、というのはどんな思いですか?

まあ、想定外だったんですけど…バイト代出るっていうからトンテン、カンテンしたんです(笑)。何で映画館あるのに、わざわざ、つくるんだろうっていうのはわからないですが、いい環境にしないと、自分の映画を観てもらう場所になるわけだから怖いというのはあって。

いすは教室のいすで?

段々を先に作って、そこに座いすを置いてます。設計は『太秦ヤコペッティ』で美術もやってる西村くん。昔の学校だからか知らんですけれど、天井もけっこう高くて。だからスクリーンもでかくとれて。教室だから、広さは言うてもそんな広くないから、めっちゃ大画面。広さの割にスクリーンめっちゃでかいから。シアターに入っていくまでもおもしろいし、いいシアターになっていると思います。

市の管轄の小学校で、文化財かなんかで飲食禁止だったんですけど、オープニングセレモニーに来た市長の「ビール飲みながら、映画観れへんのか?」という一言で、飲食解禁なって、ええ市長やなあ、と(笑)。





自分がやりたいように、自由にもっとやったらいいんじゃないかな。

『SAVE THE CLUB NOON』のクラウドファンディングサイトで宮本監督は映画の学校を出ていないこともあり、クラブやライブハウスがなかったら、そこで友人たちと出会えていなかったら、今まで映画を撮ることすらできなかったかもしれない、というお話がありました。どういうきっかけで映画をつくり始めたんですか?

ビデオカメラを買うたんですよ。建築をやっていた時に、友だちとヨーロッパに建築を観に行こう、と。その時にビデオカメラを記録として買ったんですね。ビデオカメラあったら、それで映画撮れるんちゃう?って友だちが言って、ほんまやなあ、と。それで撮ってみたのが初めで、それまで僕はもともと映画も別に好きではなかったんで。撮るようになってからなんか観だした、というか。

普段どんな映画を?

日本のも観るし、ハリウッドも、ヨーロッパのも、昔のも新しいのも何でも観ます。ほんまはツタヤとかに置いてないようなアフリカとか中東とかの映画が観たいんですけどね。ヤバいやつめっちゃありそうやから。教科書的なものからは外れまくってんのに、本人が信じきってるからちゃんと強度があるような映画とか。『イノセンス』(2003、押井守監督)とか『AKIRA』(1988、大友克洋監督)も好きです。なんせ、もともと映画が特別好きなわけじゃなくて、先撮るところからやっているから、普通と順番逆やと思うんですけど、撮ってから、いろんなもの観な!って。こんな映画もあんのや!って。会話の切り返しすら知らんと撮ってたし、動きでつなげたりとかも知らんかったから。そういう感じでいろいろ観だして、半年くらいしてから、どれも似てるな!と思い出して。映画いろいろ観るけど、どれもそんなには違わへんな、もっと自由なはずなのにな!と。そこがスタートになってるかもしれません。

別に何やってもいいっていうか。自分がやりたいように、自由にもっとやったらいいんじゃないかな、っていうのは初めに思ったことで。でも段々撮っていくうちに、これはやらん方がええな、とか。つながりとかで、ちゃうな、とか。そういうのが自分の中でできてきて。


© 2009 尻舟(Butt Boat)




学生が映画撮るってなったら、周りの友だちと撮りますよね。そうやって出てくれたり、スタッフをやってくれたりする人との出会いが僕の場合はライブハウスやクラブだったんです。

石井モタコさん、和田晋侍さん、DODDODOさんと、もともと俳優ではなく、ミュージシャンの方々とどうして映画をつくるようになったんですか?みなさん、役者が揃っていますよね。キャラクターが強くって。映画がすごい強いんです。

学生が映画撮るってなったら、周りの友だちと撮りますよね。それに近いことで。

『尻舟』もそうなんですけれど、役者の方、裏方もみんな音楽をやっている方が手伝ってくれていて、映画でバリバリ仕事している人とは、その次の『こぼれっぱなし』[2011年、監督・脚本・撮影・編集:宮本杜朗、出演:DODDODO、和田シンジ。MOOSIC LAB第1回発表作品]でもやることはなくって、必然的に僕が撮影やらいろいろして、ということになったんです。そうやって出てくれたり、スタッフをやってくれたりする人との出会いが僕の場合はライブハウスやクラブだったんです。

それでPVを撮るようになったんですか?

いっちゃん初めは、『尻舟』に出ている石井モタコくんがボーカルのバンドなんですけれど、オシリペンペンズのPVを撮ってくれへん?って言ってくれて。ペンペンズのこと好きやったし、撮る!って言って撮り始めたのが、PVは一個目で(「時は来た」)。PVに関しては、バンドの人らと一緒に制作している感じで、僕がこうやって言ってそうなっているというよりは、バンドの人らと話して作っているっていうスタンスで撮っています。

次に撮ったDODDODOもPV撮ってやーって言ってくれて、ええでーって言って撮って。(「猫がニャ~て犬がワンッ」)DODDODOと決めていって撮って。それもスタッフゼロですよね。僕がカメラ持って、PVは録音いらんから。その次は似非浪漫(「ギガ大将」)。似非浪漫はメンバーが映画が好きすぎて、逆にまとまらなくて。似非浪漫の男臭い感じを出したくて、西部劇で提案して。

オニ(「あじさい」)も僕とオニのふたりだけです。カメラ持って、じゃあ、歌って、みたいな感じで。トンチ(「イナズマドン!」)のもふたりだけで。YDESTROYDE(「必殺」)のPVは「お任せで!」と言われたので、ひたすら野菜燃やして。WATER FAI(「YYTV」)の
PVは話し合って、みんなで一緒にやって。基本的にバンドの人らとか、音楽をやっている人らがやりたいように、話し合ってやっているからPVは話があれば、という感じです。




© 2013 SAVE THE CLUB NOON




大阪・中崎町の高架下にあったクラブ「NOON」が昨年4月、「ライセンスを取っていなかったものの、(中略)1年前からは深夜営業も行なっていなかったにも関わらず、摘発」された(磯部涼編著『踊ってはいけない国、日本 風営法問題と過剰規制される社会』2012年、河出書房新社刊)。騒音苦情などは初期にあったものの、騒音対策をして営業を再開し、周辺の路上の清掃をしながら18年間営業をしてきたという老舗「NOON」。ミュージシャン、ファンからの信頼も厚く、摘発後の7月14日から4日間、総勢100組以上のアーティストの参加のもと、Live&Bar 11(オンジェム)にてイベント『SAVE THE NOON』が開催された。『SAVE THE CLUB NOON』は参加アーティストのインタビューとそのライブイベントの記録である。しかし、作品内の楽曲に著作権、出版権使用料が発生するものが多く、公開に向けて、現在クラウドファンディングを呼びかけている。


法とクラブの関係者とかだけじゃない。そこで楽しんでいる人たちのことをどう思っているんやろ?

『太秦ヤコペッティ』クランクイン2日前に撮られていたというドキュメンタリー『SAVE THE CLUB NOON』は、どのように参加されたのでしょうか。

『太秦ヤコペッティ』のラインプロデューサーの菊池さんがクランクインの日をずらしてくれて撮影することが出来ました。っていうのは『SAVE THE CLUB NOON』は「SAVE THE NOON」という4日間のイベントと出演ミュージシャンへのインタビューで構成してるんですが、「SAVE THE NOON」が『太秦ヤコペッティ』のクランクインの前日まで開催されてたんで。

『SAVE THE CLUB NOON』は、単純に監督の色なんてなくていいって思っていて、何の演出もいらんということを演出したいというか。僕がミュージシャンのインタビューを通して、こういう方向に持っていきたいんや、というのはなかったし、逆に「こういう方向に持っていきたいんや」というのはなくていいと思ってたし。僕はまとめ役になればいいと思っていました。

「SAVE THE NOON」に集まるお客さんのハッピーな様子を映したい、というのがクラウドファンディングのサイトの監督の言葉にありましたね。

実際にそこで楽しんでいるお客さんがいるわけやから。楽しんでるお客さんは撮りたいなと思いましたね。法とクラブの関係者とかだけじゃないっていうことを。そこで楽しんでいる人たちのことをどう思っているんやろ?と。羽目を外したいっていうのもすごいあるし、そういうのを含めてお客さんを撮りたいっていうか。

この映画はいい意味で広く浅いんですよ。少なくとも風営法を深く掘り下げるような映画ではないです。これは一年前のイベントやし、風営法という問題が持ち上がってきて、それほど時間が経っていないときのイベントで。ミュージシャンの方々も、すごく熱っぽく話してくれました。そういう意味では絶妙なタイミングで撮ることができたんかもしれません。なぜこういった摘発が今のタイミングで行なわれているのか、っていう素朴な疑問に対しては今も僕はわかってません。いろんな憶測はありますが、実はもしかしたら警察も分かってへんのちゃうかな、と思ってます。

クラブの中を外に持ち出す―これからの音楽へ

どういう方向に行くか、まだわからないですけれど、インタビューに応えられている方々も錚々たる面々で、音楽の歴史として、アーカイブとして残るものになりますよね。

実際、それもありました。2012年に音楽に対して、こういうことがあったっていうことを記録するだけでも意味があると思ったし、そういう意味で「これからの音楽へ」とサブタイトルに付けているというのもあるんです。10年後、20年後、若い子らが音楽やる時に、こういうことをやってくれた大人たちがいたっていうことを。そういうのんええな、って。

クラウドファンディングを今やってるんですけれど、『SAVE THE CLUB NOON』というタイトルやから、NOONにお金が行くんじゃないか、とか、そういう見え方を多分してしまってると感じてて。そうではなくて、単純にこの映画に対するクラウドファンディングです。この映画は「SAVE THE NOON」というイベントがなければ、なかったから、タイトルを決めるときにも、映画の企画者の佐伯君とも言ってたんですけれど、多少誤解を産むかもしれないけれど、「NOON」という単語は絶対外せへんよな、と。映画は「NOON」をきっかけにして、みんなが集まって、いろんなことを話しているけれども、それは決して「NOON」だけのことではなくて。ほんまにね、いい意味で広く浅いから、「あ、こんなとこあるんや」って知らない人に、普段クラブに行かないような人にも観てほしい。風営法問題を知らない人にも。

映画館の席に座って、そこで音楽聴いて、踊りたい気持ちもわかってもらえたらな、と思ってます。




原宿VACANTでのトーク・イベント“映画『SAVE THE CLUB NOON』presents「これからの音楽へ」 クラブ・ペディア 東京Ver.”
左から司会のタイムアウト東京編集部のジェイムズ・ハットフィールドさん、弁護士の斉藤貴弘さん、「NOON」オーナー・金光正年さん、TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美さん、『SAVE THE CLUB NOON』企画の佐伯慎亮さん、宮本杜朗監督。






インタビュー後、原宿VACANTでのトーク・イベント“映画『SAVE THE CLUB NOON』presents「これからの音楽へ」 クラブ・ペディア 東京Ver.”に参加した。「クラブカルチャーとはそもそも何なのか?」ということについて、「いろいろなものを寛容に受け容れる場所」と語る「NOON」オーナー・金光正年さん。80年代からの伝説的な「ツバキハウス」などのディスコ、クラブ体験を「自分の居場所」であったと語るTOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美さん。猪苗代湖ズとしてもご存知の方が多いであろう、福島出身でもある渡辺俊美さんは「自分にできることを」と、東北三陸沖沿岸地域及び福島にライブハウスを建設するプロジェクト「東北ライブハウス大作戦」に参加されてきた。思いがけず、異なる場所で数時間前に行われた宮本監督とのインタビューでの会話とが光の速度でつながる瞬間が、そこにはあった。



『太秦ヤコペッティ』  
 2013年/83分

Nippon Connection Film Festival 2013正式出品作品
Fantasia International Film Festival 2013 正式出品作品

和田晋侍 キキ花香(劇団 子供鋸人) 小沢獅子丸
福本清三(『ラストサムライ』) 土平ドンペイ(『パッチギ』) 石井モタコ(オシリペンペンズ) 堀田直蔵(バミューダ★バガボンド) スギム(クリトリック・リス)
北原雅樹(元グレートチキンパワーズ)

音楽: 和田晋侍(巨人ゆえにデカイ/DMBQ) エンディングテーマ: 「5」DODDODO
監督・脚本・撮影・編集:宮本杜朗 共同脚本:松永後彦 助監督:高倉雅昭 
製作・配給:シマフィルム株式会社

東京ではポレポレ東中野にて6月29日より公開

公式サイト:http://www.uzumasa-jacopetti.jp


©2013 Shima Films




『SAVE THE CLUB NOON これからの音楽へ』

監督・編集: 宮本杜朗
企画: 佐伯慎亮 山本陽平
撮影: 宮本杜朗
 佐伯慎亮 
東井剛生
 高木風太
 高木陽春
 倉科直弘
 平賀敬人
 松本平太
 牧野裕也
録音:松野泉 インタビュー: 佐伯慎亮 

インタビュー・ライブ出演者
(#はライブ映像のみ /編集により変更の可能性あり)
赤犬/ANI & ロボ宙(DONUTS DISCO DELUX)/ALTZ #/いとうせいこう
ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) /OORUTAICHI
沖野修也 & 沖野好洋(Kyoto JAZZ Massive)/オシリペンペンズ#/KA4U(MIDI_sai) Calm/KIHIRA NAOKI(SOCIAL INFECTION)/久保田コージ#/THE CREAMS
サイトウ”JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)/須永辰緒/太華&浦友和
CHIEKO BEAUTY/中納良恵(EGO-WRAPPIN’)/中村一元(PUBLIC CAFE)/七尾旅人
ハナレグミ/PIKA☆(ex.あふりらんぽ)/HIDADDY(韻踏合組合)
BIKKE(TOKYO No.1 SOUL SET)/BLIZ AND SQUASH BRASS BAND#
山本アキヲ & 高山純(AUTORA)
金光正年(NOON代表) 山本陽平(NOONマネージャー)
and more!!

完成・公開に向けて、7月14日0:00までクラウドファンディング中!
ファンディングサイト:http://motion-gallery.net/projects/savetheclubnoon







宮本杜朗 監督

1981年生まれ。
05年に初長編『吉村佳雄WALKING, SLEEPING』が中之島映画祭グランプリ受賞、07年『フリフリ坊主』が第3回CO2企画制作総合プロデューサー賞を受賞し、OSKARIADA、ハンブルグ日本映画祭などで上映される。09年に『尻舟』が劇場公開され話題になる。13年春より、シマフィルムの京都連続第3弾作品『太秦ヤコペッティ』が劇場公開。同作品は国外最大の日本映画祭 Nippon Connectionでの上映も決定している。12年より大阪のクラブNOONの摘発を受け、風営法問題を扱うドキュメンタリー『SAVE THE CLUB NOON』を制作中。クラウドファンディングで制作・公開資金を募っている。自身の全作で撮影も務める。

オシリペンペンズ「時は来た」、DODDODO「猫がニャ~て犬がワンッ」、似非浪漫「ギガ大将」、オニ(ex.あふりらんぽ)「あじさい」、YDESTROYDE「必殺」、トンチ「イナズマン」、WATER FAI「YYTV」のPVも制作。
他に、ピカチュウ(ex.あふりらんぽ)との実験映像「ランゲルハンス島」(09)、「white shit white white and W. ≒ SOFT」(11)等がある。

POSTED BY
Mitsutomo KAWAMURA
Mitsutomo KAWAMURA
1977年生まれ。洋服だけでなく、あらゆるジャンルの"表現者"と共にシーンを創る、
そして紡ぐということをコンセプトに2006年にエージェント4Kを設立。