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タイ映画を牽引するインディー監督たちが配給会社Mosquito Films Distributionをスタート!

2014.01.24 up
タイ映画を牽引するインディー監督たちが配給会社Mosquito Films Distributionをスタート
       

text:Junko Homma
source:http://mosquitofilmsdistribution.com



東南アジアで注目されていく映画を、映画監督のポテンシャルを最大限に活かし配給すべく、『ブンミおじさんの森』で2010年、タイ人初となるカンヌ映画祭最高賞(パルム・ドール)を受賞し、昨年福岡アジア文化賞芸術・文化賞を受賞したアピチャートポン・ウィーラセタクン監督を中心に、タイ映画を牽引するインディー監督たちが配給会社Mosquito Films Distributionを設立。

設立メンバーには昨年東京国際映画祭でも上映され、タイ単館系映画興収1位という異例の快挙を記録している『マリー・イズ・ハッピー』(2013、ナワポン・タムロンラタナリット監督)のプロデューサー、アティット・アッサラット監督(『ハイソ』[2010]、『ワンダフル・タウン』[2007])、アノーチャ・スウィッチャコーンポン監督(『Mundane Story』[2009])、アピチャートポン監督自身の長編デビュー作『ブリスフリー・ユアズ』(2002、カンヌ映画祭「ある視点」部門賞受賞)以来、『世紀の光』(2006)、『ブンミおじさんの森』の他、アティット監督の『ワンダフル・タウン』など、国内外で評価の高い作品の編集を長年務め、最優秀編集人として高い評価を得てきたリー・チャタメティクーン監督、国際的に認知されたタイで最初の女性監督ピンパカ・トウィラ監督(『One Night Husband』[2003]、短編『メー・ナーク』[1998、イメージフォーラム・フェス1998審査員特別賞受賞作])、現在国際的にも評価を得ている気鋭のタイ・インディー映画監督たちを数多く送り出しているプロデューサー、ソーロート・スクム氏(『ワンダフル・タウン』、『ハイソ』、『Mundane Story』、『Tang Wong』[2013、コンデット・ジャトゥランラスミー監督]など)、アピチャートポン作品の多くの作品で助監督を務め、現在長編処女作品に取り組んでいるソンポット・チットゲーソーンポン(『トロピカル・マラディ』(2004)、『ワールドリー・デザイアーズ』(2005)、『世紀の光』に助監督として参加。自身の短編作品は数多くの海外映画祭で発表している)。

今後は東南アジアのニュージェネレーションの作品も含め、国際セールス、映画祭への配給の他、映画祭プログラムや美術館等へのキュレーションにも意欲的だ。設立後第一弾として、次の4作品を現在開幕中のロッテルダム国際映画祭の各部門でお披露目する。

シンガポールのアンソニー・チェン監督の『ILO ILO』(2013)でも記憶に新しい、アジア経済危機が席巻した1997年。当時のバンコクに立ち返った、リー・チャタメティクーン監督の長編デビュー作『Concrete Clouds』(2013、アピチャートポン監督が共同プロデューサー)。

タイ北部チェンライ県出身で、地元の農村をドキュメンタリーとフィクションというフォーマットを行き来しながら捉えてきたウルポン・ラクサーサット監督「コメ三部作」の3作目となる『The Songs of Rice』(2014、『STORIES FROM THE NORTH』[2005]は韓国・全州国際映画祭、ナント三大陸国際映画祭など海外の映画祭で高い評価を受けている。ピンパカ監督が『Agrarian Utopia』[2008]に続いてプロデューサー )。

匿名の会ったことのない女子高生の410のツイートを監督が映画化した新感覚JKムービー『マリー・イズ・ハッピー』。現代タイを代表する作家プラプダー・ユーンやMosquito Films Distributionのメンバーを含むタイインディー映画界の面々のカメオ出演は見逃せない。

昨年の釜山国際映画祭でプレミア上映されている6人の東南アジアの中華系監督による、中国本土からのディアスポラについてのオムニバス『Letters from the South』(2013、アティット・アッサラット監督、ロイストン・タン監督[シンガポール、日本ではSintok シンガポール映画祭2012で特集上映されている]、ツァイ・ミン・リャン監督[マレーシア、『ピクニック』[2013]が昨年のヴェネチア国際映画祭で審査員大賞受賞。台北金馬奨でも最優秀監督賞と最優秀主演男優賞のW受賞。ヴェネチア映画祭で引退表明をし、その後の東京フィルメックスでのQAでは「私がもしもう1本作ったとすれば、それは神様に与えられた宿題ですから」と答えている]、Midi Z監督[ミャンマー、『貧しき人々』[2012]は昨年大阪アジアン映画祭インディーフォーラムで上映されている]、タン・チュイムイ監督[マレーシア、『愛は一切に勝つ』[2006]でロッテルダム国際映画祭、釜山国際映画祭でグランプリ受賞。『夏のない年』[2010]。岩井俊二監督の『friends after 3.11【劇場版】』[2011]に出演。]、シュン・コウ監督[シンガポール、『LUCKY7』[2008]など。タレント・キャンパス・トーキョー2011に参加。)

コンペティション審査員には、日本からは女優・プロデューサーである杉野希妃さん(現在公開中の二階堂ふみ主演、深田晃司監督作品『ほとりの朔子』[2013]をプロデュース、出演しており、ナント三大陸映画祭グランプリ含め2冠)が参加しており、ニュースに期待が高まる。

東京では評論集『アジア映画で〈世界〉を見る 越境する映画、グローバルな文化』(作品社)の刊行を記念した特集イベント「アジア映画で〈世界〉を見る」が1月26日(日)に開催され、アピチャートポン監督の『メコンホテル』(2012)の上映の他、福間健二氏(詩人・映画作家)、渡邉大輔氏(映画批評家)をゲストに迎えた関連トークイベントが予定されている。

アピチャートポン作品だけではなく、Mosquito Films Distributionから今後配給されていく東南アジアの作品群によって、辺境の地や、周縁の人々が歴史や社会の裏面ではなく、「今」を生きているのだということ、その営みの表象であるということが、多くの人に届くことを心より願っている。



ウェブサイト
http://mosquitofilmsdistribution.com

POSTED BY
Mitsutomo KAWAMURA
Mitsutomo KAWAMURA
1977年生まれ。洋服だけでなく、あらゆるジャンルの"表現者"と共にシーンを創る、
そして紡ぐということをコンセプトに2006年にエージェント4Kを設立。