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彼方から存在を可視化する 24fps — JRの映像 展

2015.11.05 up
JR_LESBOSQUETS
       

東京、ワタリウム美術館の正面外壁を埋め尽くした東日本大震災の東北の被災地の人々の顔によって迎えられた2013年の「JR展 世界はアートで変わっていく」から2年半。若者の暴動や移民をテーマに昨年から今年にかけて制作された映像作品や関係作品とともに、JRが再びワタリウム美術館に帰ってくる!

世界各地の弾圧や貧困、差別のもとで暮らす人々のポートレートを撮影し、その写真をその土地の人々の手で建築物や通りに貼るというグラフィティの手法を用いて、その人々の存在やその土地の記憶を世界に可視化してきたJR。今週末11月8日(日)より開催される「24fps — JRの映像 展」として、今回3つのプロジェクト「エリス」、「レボスケ」、「リヴァージュ」が展示される。

『エリス』(2015)
エリス島は1892 年から 1954 年まで移民にとってアメリカへの入り口であった。映画『ゴッドファーザー PARTII』(1974)で、家族を殺された主人公ヴィトー・コルレオーネも少年時代シチリアから渡ってきて、この島に上陸する。後にドンとなるヴィトー少年もこの島の病院の窓からニューヨーク湾内に浮かぶ自由の女神を眺めていた。
JRは移民局が閉鎖されて長く廃墟となっていたその島の病院を舞台に、かつての患者や職員のポートレートによって歴史を呼び起こすフォトインスタレーションを展示。そこで撮影されたショートフィルム『エリス(ELLIS)』では、移民として来たが最後まで入国を認められることなく、この地で幽霊となった男をロバート・デ・ニーロが演じている。
音楽は自身も映像作家ヨアン・ルモワンヌとしてテイラー・スウィフトやラナ・デル・レイなどのミュージックビデオも手がけているウッドキッド。

『レボスケ(Les Bosquets)』(2015)
2005年、パリ郊外モンフェルメイユで北アフリカ出身の3人の若者が警察に追われ逃げ込んだ変電所で感電し、死傷したことをきっかけに移民の若者たちが警察隊へ暴動を起こした。それを報道するテレビには、JR がその前年に28mmレンズで撮影し、拡大したポートレートの最初のプロジェクト「ある世代のポートレイト(Portrait of a Generation、2004)」が映っていた。レボスケはバス以外に公共交通のない、1960年代に建設された移民のための公共団地。「ある世代のポートレイト」でカメラを銃のように構える映像監督ラッジ・リはそこで育った一人で、この暴動事件では自身の撮影中に逮捕されている。ニューヨーク・シティ・バレエ団がこの暴動事件をテーマに制作したパフォーマンス「レボスケ(Les Bosquets、2014)」とラッジ・リのストーリー、JRの体験をもとにつくられている。音楽にはファレル・ウィリアムス、ウッドキッドのほか、ハリウッド映画音楽のハンス・ジマー、ベンジャミン・ウォルフィッシュが参加。

『リヴァージュ』(2014)
2007年に始まったJRの「女性たちはヒーロー(Women Are Heroes)」シリーズは、社会で不可欠な役割を担っているにもかかわらず、戦争や犯罪、レイプ、宗教や政治で一番の犠牲者とされてしまう女性のためのプロジェクトで、「わたしたちのストーリーを世界中に伝えて」という約束のもと、これまでブラジルやケニア、カンボジアなどで行なわれてきた。
一方、フランス、ル・アーブル港は女性が全くいない港だそうだ。男だけの仕事場である港に初めて現われた女性の眼を大きく引き延ばした写真が、港湾労働者である男たちによって、10日間かけてコンテナにペーストされ、マレーシアに向けて出向した。ギヨーム・カニアールにより映像化された作品。



■会期前日の7日(土)にはJRと特別ゲストを迎え、プレミア上映+トークイベントが開催される。
詳細は公式サイトにて。



24fps – JRの映像 展
2015年11月8日[日]-11月29日[日]
休館日:月曜日[11/23は開館]
開館時間:11時より19時まで(毎週水曜日は21時まで延長)
入館料:大人1,000円 / 学生(25歳以下) 800円
会場:ワタリウム美術館
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
Tel:03-3402-3001 http://www.watarium.co.jp

POSTED BY
Junko HONMA
Junko HONMA / Movie Journalist
「クリエイターとのダイアローグからそのさきへ。そんな“場”をつくっていけたら。」
2012年より映画の上映会や配信の運営、PR、TVドキュメンタリーの制作の現場を経て、“ことばで伝える”ことに立ち返り、表現を取り巻く状況が大きく変わりゆく時代の中で国内外で“領域”を越えて、新たな取り組みに挑戦しつづけるクリエイターのいまをお伝えします。本サイト「theatre tokyo/ creators park スペシャルインタビュー」ほか、ウェブマガジン『HYPEBEAST.JP』ではライフスタイル、カルチャーの翻訳を担当中。大阪の制作、エキストラで初参加させていただいた、リム・カーワイ監督作品『Fly Me to Minami~恋するミナミ~』DVD/iTunes配信も絶賛発売中!!