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3.11後の命をめぐるセルフドキュメンタリー 映画『抱く(HUG)』

2016.03.02 up
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東日本大震災から5年。3.11で起きた原発事故による放射能汚染の衝撃は、何よりも私たちの生命に、そしてこれから生まれ来る新しい命、育ちゆく若い命そのものに大きく影を落としている。
東京で環境問題を中心にドキュメンタリー監督として活動していた海南友子監督は、震災直後も大手メディアの入るのことない福島第一原発4キロ地点にまで入り、避難を強いられた人々の取材を続けていた。福島で腰を据えた取材を考えていた中で発覚する監督の妊娠。不妊治療の末に40歳を超えての初めての妊娠に本来なら喜びあふれるはずの監督は、妊娠に気づかずに線量の高い地域で取材を続けていたことへの大きな不安と生まれ来る胎内の我が子への申し訳なさでいっぱいだった。
出産に向けて、京都へ移住する監督。福島で出会った母たちの不安や苦しみは監督自身にも重なり、避難・移住という選択肢をめぐる母としての苦悩や決断をセルフドキュメンタリーとしてとらえることに。

2013年に完成し、イタリアのパレルモ・ソーレ・ルナ・ドキュメンタリー映画祭2015年外国語最優秀ドキュメンタリー賞受賞のほか、釜山国際映画祭ワールドプレミア上映など海外映画祭でも取り上げられてきたにもかかわらず、国内での劇場公開までにかつてなく困難が伴い、ようやく西日本では公開が決まる中で、東日本は特別上映にとどまっている。その間、全国各地に避難・移住した母たちへの取材は、子どもの未来社刊『あなたを守りたい ~ 3・11と母子避難』の書籍としてまとめられ、海南友子監督はその後、スイスに近いドイツの街シェーナウで母たちが起業し、脱原発を可能にしている再生可能エネルギーの取り組みを取材。その出版とドキュメンタリー映画公開にも大きな期待が寄せられている。



『抱く(HUG)』

監督・編集 海南友子(かな ともこ)/プロデューサー 向山正利、向井麻理/撮影 南幸男、
向山正利/2014 年/日本/69 分/カラー/16:9
英題:A Lullaby Under the Nuclear Sky
©Horizon Features

公式HP:http://www.kanatomoko.jp/hug

2016.3.5(土)より大阪、第七藝術劇場、3.19(土)より京都シネマ、4.2(土)より名古屋シネマテークにて公開! 全国順次ロードショー!

東京では特別上映が決定!
3月12日(土) 3.11映画祭 

3月18日(金)、19日(土)、25日(金)、26日(土) ザムザ阿佐谷
*『いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜』(’12年)『ビューティフルアイランズ〜気候変動 沈む島の記憶〜』(’09年)もアンコール上映同時開催!


市民上映会の開催の問い合わせはユナイテッドピープル株式会社まで
市民上映に関わるサイト「cinemo」 公式HP:www.cinemo.info

POSTED BY
Junko HONMA
Junko HONMA / Movie Journalist
「クリエイターとのダイアローグからそのさきへ。そんな“場”をつくっていけたら。」
2012年より映画の上映会や配信の運営、PR、TVドキュメンタリーの制作の現場を経て、“ことばで伝える”ことに立ち返り、表現を取り巻く状況が大きく変わりゆく時代の中で国内外で“領域”を越えて、新たな取り組みに挑戦しつづけるクリエイターのいまをお伝えします。本サイト「theatre tokyo/ creators park スペシャルインタビュー」ほか、ウェブマガジン『HYPEBEAST.JP』ではライフスタイル、カルチャーの翻訳を担当中。大阪の制作、エキストラで初参加させていただいた、リム・カーワイ監督作品『Fly Me to Minami~恋するミナミ~』DVD/iTunes配信も絶賛発売中!!